善玉コレステロールを効率よく増やすにはどうすればいい?
運動以外で善玉コレステロールを増やす方法はありますか?
コレステロールって何?
何かおすすめの食べ物はありますか?
このような疑問にお答えします。
もしあなたが、
善玉コレステロールを増やしたいと思っているなら、
毎日の食事と運動を見直すことをお勧めします。
目次
コレステロールって何?
体に必要なもの?
「コレステロール」って聞くと、
悪いイメージばかりが先行しがちですが、実は、
私たちの体に必要なものなんですよ。
まずはコレステロールの正体から見ていきましょう。
私たちの体の血液中には4種類の脂質が存在しているんです。
✓コレステロール
✓中性脂肪(トリグリセライド)
✓遊離脂肪酸
✓リン脂質
の4種類です。
このうちメインとなるのはコレステロールと中性脂肪。
LDL コレステロールや中性脂肪が基準の値より大きい場合と、
HDLコレステロールが基準の値より少ない場合が脂質異常と呼ばれます。
脂質の種類 |
働き |
コレステロール |
・細胞膜の構成成分 |
中性脂肪 |
・エネルギー源 |
遊離脂肪酸 |
・直接働くエネルギー源 |
リン脂質 |
・細胞膜の構成成分 |
コレステロールは細胞膜の材料になり、
副腎皮質ホルモンや性ホルモンなど、
各種ホルモンや胆汁酸の材料にもなるのです。
胆汁酸は、
脂質の消化吸収に関わっているためコレステロールが不足すると、
腸での脂質の消化吸収が悪くなってしまいます。
コレステロールの必要量は1日あたり1.5~2㌘程度で、
このうち体内で70~80%がつくられていて、
残りの20~30%は食べ物から取り入れています。
体内で作られる量は、
食物から摂取されたコレステロール量に合わせて、
肝臓で調節されているのです。
しかし、
慢性的にコレステロールの摂取量が多すぎたり、
遺伝や糖尿病などが原因で、
肝臓での調節機能がうまく機能しなかったりすると、
血中LDLコレステロール量が増えてしまい脂質異常症になってしまいます。
脂質異常症は様々な生活習慣病の要因となっているのです。
LDL は悪玉コレステロールと言われていますが、
肝臓で合成されたコレステロールを全身に届けるという 大切な役目があります。
しかし、
多すぎるのは問題なんです。
血液中で多くなったLDL コレステロールは血管壁に潜り込んでしまい、
動脈硬化の原因となります。
コレステロールや中性脂肪は水に溶けません。
水に溶けやすいリン脂質とタンパク質に囲まれて、
「リポタンパク」として血液の中を流れて、
全身の細胞へ運ばれているのです。
この「リポタンパク」のうち、
コレステロールを最も多く含む LDL は血液中に増えすぎてしまうと、
活性酸素と反応し「酸化 LDL」 となり血管壁の細胞内に蓄積して、
動脈硬化の原因となってしまいます。
そのため一般的に「悪玉コレステロール」と呼ばれているのです。
一方、
タンパク質を多く含む HDL は、
各細胞で使い切れず余ってしまったコレステロールや、
動脈壁に蓄積したコレステロールを回収して肝臓に運ぶ役目を担っています。
そのため「善玉コレステロール」と呼ばれているのです。
動脈硬化による疾病いろいろ
動脈硬化による心臓への影響
心筋に血液を送る冠動脈に動脈硬化のプラークができてしまうと、
内腔が狭くなって一時的に血流が低下。
これが「狭心症」と言われるもので、
胸の痛みや圧迫感などの症状が現れます。
プラークが不安定な状態になってしまい、
表面が破裂すると血栓ができて血流が止まり、
その冠動脈の領域の心筋は壊死してしまいます。
これが「心筋梗塞」と呼ばれ、
命に関わることがあるとっても怖い病気なんです。
動脈硬化による脳への影響
脳に血液を送る頸動脈にプラークができて、
表面にできた血栓やプラークの一部がはがれて流れると脳の血管が詰まり、
その先の領域の脳の細胞が壊死します。
これを「脳梗塞」といい運動麻痺や言語障害などの症状が現れるのです。
脳内の主要な動脈の動脈硬化も脳梗塞の原因となります。
このような脳梗塞や脳出血をまとめて脳卒中と言います。
動脈硬化による腎臓への影響
腎臓の糸球体は血液をろ過して、
尿を作るという大切な働きがあります。
腎臓に流れる動脈に動脈硬化が起こると、
血液をろ過し尿を作る糸球体の機能に影響します。
腎臓の動脈硬化には、
主に糖尿病と高血圧が影響して、
その両者がある場合は特に注意が必要。
腎不全が進行すると老廃物が排出されず尿毒症を起こして、
人工透析で血液を濾過しなければならなくなってしまいます。
食事による改善
善玉コレステロールを増やすために食べていいもの
積極的にお勧めする食品は、
魚、大豆、野菜、海藻、きのこ、穀類や麦などです。
植物性の脂質(ブリ、サバ、アジなどの青魚)や
ビタミンA(豚レバー、しそ、うなぎ、人参、かぼちゃ)、
ビタミンC(赤ピーマン、ブロッコリー、キウイ、じゃがいも)、
ビタミンE(アーモンド、かぼちゃ、モロヘイヤ)
この「ビタミンACE(エース)」と呼ばれている栄養素は、
強い抗酸化力があり「若返りのビタミン」なんて言われています。
カリウム(ほうれん草、バナナ、里芋、納豆、きのこ類、わかめ)、
マグネシウム(アーモンド、玄米、納豆、大豆)。
カリウムとマグネシウムは5大栄養素のうちのミネラル分です。
ミネラルは体内で作ることができないので、
毎日の食事で補わないといけません。
尿や汗によって排泄される量が決まっているため、
欠乏症を起こさないように注意しましょう。
善玉コレステロールを増やすために食べない方がいいもの
食べることを控えた方がいい食品は、
脂の多い肉類、
食塩を多く含むもの、
塩分や過剰なアルコールなどです 。
飽和脂肪酸を多く含む食品(脂肪の多い肉、内臓、乳製品など)や
トランス脂肪酸を含む菓子類、
加工食品の摂取を抑えましょう。
飽和脂肪酸の特徴として、
摂りすぎると中性脂肪・コレステロールの合成が進み、
血中の脂質を増やしてしまいます。
そのため肉類は脂身を避けて食べる、
生クリームやバターは飽和脂肪酸が多く含まれているので和菓子に変える、
などの工夫が必要です。
しかしこれは「善玉コレステロールを増やす」ということではなく、
「悪玉コレステロールを減らす」という意味合いが強いです。
運動による改善
運動することによって得られるメリットは、
脂質の代謝が改善して LDL コレステロールや中性脂肪の分解が活発になり、
HDL善玉コレステロールが増えることです。
コレステロールは中性脂肪などと同じ脂質の一種です。
しかし中性脂肪とは違いコレステロールは体のエネルギーとはならず、
体の中で分解されません。
なので、
いくら運動をしても悪玉の LDL コレステロールを下げることは難しいでしょう。
しかし、
運動すれば中性脂肪を燃焼させて減らすことができるのです。
この2つの脂質は「中性脂肪が下がれば、 HDL コレステロールが上がる」というシーソーのような関係にあります。
善玉コレステロールを増やす為には有酸素運動がいい理由
ウォーキングやジョギング、
水泳やサイクリングなどの、
体に軽い負担がかかるような有酸素運動がおすすめです。
コツは自分の体と環境にあった、
無理なく続けられる運動を選ぶこと 。
トレーニング初日から張り切ってしまうと、
あとが続かず三日坊主になってしまう場合が多いです。
あなたもこれまでにいろいろとご経験があるでしょう?(>ω<)
少し汗ばんだり軽く息が上がるぐらいの運動がいいですね。
汗がダラダラ垂れるような激しい運動をする必要はありません。
ある研究によると、
ウォーキングの歩数が多いほど HDL コレステロールの値が高い傾向にあることが確認されています。
また、
マラソン選手の HDL コレステロールは、
とても高いことが知られています。
1日10分でもいいので、「歩く」という習慣をつけましょう 。
善玉コレステロールを増やす為には無酸素運動もいい理由
無酸素運動には脂肪を燃やしたり HDL コレステロールを上げる効果はありません。
しかし、
筋肉が増えれば筋肉内にあるグリコーゲンが活動エネルギーとして消費され、
その結果、
基礎代謝が高まって、
インスリン抵抗性が減り血糖値が下がる効果が期待できるんです。
また、
善玉コレステロールを増やすことと関係はありませんが、
筋肉は使わないと衰えていきます。
現在の生活が便利になってきていることで筋肉を使うことがとても少なくなり、
その結果、
知らず知らずのうちに筋力が低下してしまっています。
活動的な生活を送るためには、
胸部、腹部、背部、臀部、大腿部などの大きな筋肉を鍛えることが必要になってきます。
まとめ
✅「HDL善玉コレステロール」と「LDL悪玉コレステロール」は体に必要なもの!
✅LDL悪玉コレステロールが過剰に増えると様々な生活習慣病に繋がります!
✅食べたほうがいいものは植物性の脂質、ビタミンACE、ミネラルを意識すること!
✅動物性の脂質や塩分、過剰なアルコールは控えること!
✅「運動」は意識せず「歩く」習慣をつけましょう!
✅アンチエイジングのためにも無酸素運動は効果あり!
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