高齢者が日常生活で取り入れたい運動は4種類。
意識的に4種類を組み合わせて行うと元気な体になります。
高齢者に有効な4つの運動を組み合わせると効果的
高齢者が日常生活に取り入れたい4つの運動とは?
①ストレッチ
「筋肉や関節を柔らかくする運動」
②筋力向上トレーニング
「筋肉を強くする運動」
③バランス向上トレーニング
「バランス感覚を良くする運動」
④持久力向上トレーニング
「疲れにくくする運動」があります。
上記の4つのトレーニングを組み合わせて行うと、老年症候群に陥りにくい体にすることができます。
この記事を最後まで読んで実行してもらうと、あなたの体は負けない体に成長し、これからも充実した時間を過ごすことができるでしょう。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
高齢者に有効な4つの運動を組み合わせると効果的
高齢者が日常生活に取り入れたい4つの運動とは?
ストレッチとバランス向上トレーニングは体の調子を整える運動で、筋力向上トレーニングは体を作る運動、持久力向上トレーニングは、その両方の要素を持ったトレーニングと考えられています。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
①ストレッチ
ストレッチには動的ストレッチと静的ストレッチがあり、動的ストレッチは反動をつけて行われ血流を良くして筋肉を温める効果があります。
一般的にスポーツ前や筋力向上トレーニングの準備体操などに使われます。
動的ストレッチはヨガなどのように反動をつけず、ゆっくり筋肉を伸ばす運動です。
筋力向上トレーニングを行った後は静的ストレッチで筋肉を緩めると痛みが軽減できます。
◯腕を抱え込んで引く肩のストレッチ
肩のストレッチ
姿勢を正して正面を向いてください。
肩のストレッチです。
右手を肩の高さまで上げてもらって
反対の手でヒジをかかえて手前にグ~っと引き寄せましょう。
このときにヒジが下がらないように注意してください。
反対側も同様に行います。
◯背後で手を組む胸部のストレッチ
腕から胸部にかけてのストレッチ
体の後ろで両手を組みます。
いったんヒジを下まで伸ばしてもらって、
それから組んだ両手をゆっくり上に上げていきましょう。
このときに体が前にかたむかないように注意してください。
上げられるところまででかまいません。
◯肘を引く上腕のストレッチ
肩のストレッチ
手を頭の後ろにして、反対の手でゆっくり下へ下げましょう。
ヒジがうまく上がらない方は、ヒジを下からあげるようにしてください。
体はかたむかないように真っ直ぐにしておきます。
反対側も同様に行います。
◯両膝を曲げて座り上体を倒すストレッチ
股関節のストレッチ
両足はあぐらをかいたまま両手を前に出します。
背中を真っ直ぐにして、
ゆっくり息を吐きながら上体を前へ倒していきましょう。
お尻から太ももの裏側が伸ばされているのがわかると思います。
◯片足方向に上体を倒すストレッチ
太ももウラのストレッチ
脚を広げて座って右足は伸ばしたまま。
左足は手前にたたんでおきます。
伸ばしている足の方へ体を向けて、
息を吐きながら太ももとお腹を近づけるように倒していきましょう。
ちょっときつい方はヒザは曲がっていてもかまいません。
反対側も同様に行います。
◯片膝を立て上体を後ろに向けるストレッチ
お尻から腰のストレッチ
右足は伸ばしたまま。
左足を右足の上で交差させます。
右手のヒジを曲げたヒザの外側に当ててゆっくり上体をひねりましょう。
反対側も同様に行います。
②筋力向上トレーニング
世間一般で言われている筋トレに当たるものがコレです。
筋力向上トレーニングは加齢に伴い萎縮してくる骨格筋の増強を目指します。
速筋繊維を鍛えるには少ない回数で良いので重い負荷をかけて筋肉を使う必要があります。
ただし高齢者がいきなり重い負荷をかけてしまうと、筋肉を痛めてしまうこともありますので、最初は軽めの負荷から始めていただいて、徐々にややきつめを目安に負荷を高めていくと、無理なく効果を上げることができます。
◯高齢者が最も強化したいのは抗重力筋
抗重力筋のなかでも脚の筋肉を鍛えることが重要!
高齢者の転倒には様々な要因がありますが脚の抗重力筋を鍛えることが最も重要です。
転ばないようにするには普段から足腰の筋肉を鍛えることが大切です。
抗重力筋には
背中(脊柱起立筋)
お腹(腹直筋)
お尻(大臀筋)
太もも前面(大腿四頭筋)
ふくらはぎ(下腿三頭筋)
などがありますが中でも大臀筋、大腿四頭筋、下腿三頭筋などの下肢にある筋肉は立ったり座ったり、あるいは歩いたりするときに重要な働きをします。
また、つま先の上がりを良くするには前脛骨筋のトレーニングが有効です。
筋肉を鍛えることで転倒予防ができるだけでなく、日常生活の機能全般が向上することがわかっています。
◯筋トレをするときの注意、集中して、少しきついぐらいの運動を心がける
運動を行うときは必ず自覚的運動強度を意識するようにしましょう。
「自覚的運動強度」とは、体を動かしたときに自分で感じる運動の強さのことなんです。
中高年の場合でも楽チンな運動強度でやっていては、効果がありません。
転倒予防のための筋トレでは下肢の6つの筋肉(中臀筋、大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリング、前脛骨筋、下腿三頭筋)を強くすることが大切。
マシンを利用した運動ほどではありませんが、自宅で行う日常的な筋トレでも、ゆっくり行うことで筋力が発達すると言う報告がされています。
これはゆっくり運動を行っている間は、収縮中の筋肉の血流が乏しくなるため局所的に、アシドーシス(体液が酸性に傾いた状態)になり成長ホルモンの分泌が促されると言うメカニズムによるものです。
◯スクワット
◯フロントランジ
①運動量を少しずつ増やしていく
筋トレを始めたらいきなり大きな負荷をかけるのではなく、徐々に強度を上げていくのが安全で効果的です。
軽い負荷のものから始めて、徐々に重い負荷に上げていく。
少ない回数から始めて、徐々に回数を増やしていく。
②「ながら筋トレ」はやめる
テレビを見たりスマホなどを操作しながらのトレーニングは集中力が落ちるので効果が上がりません。
しっかりと、鍛えている筋肉を意識しているかしていないかで、結果がかなり違ってきます。
③ややきつめの運動をする
体を動かしたとき「ややきつい」と思える程度の運動が筋力向上には効果的です。
軽い負荷のものを永遠に続けていても、なんの意味もありません。
筋トレとは、できないことをできるようにしていくプロセスなんです。
③バランス向上トレーニング
高齢者は若い人に比べてバランス能力が低下しているため、僅かなつまずきでも転倒してしまい、そのまま寝たきりになってしまう方も少なくありません。
転倒は寝たきりになってしまう大きな要因になるので、転倒しないためには身体のバランスを向上させるトレーニングが大切になってきます。
ふらついて転倒しそうになった時、瞬間的に姿勢を安定させる身体能力を向上させることです。
具体的には体の中心部の体感をしっかり安定させるために、腹筋と背筋を中心に体幹をしっかり鍛えましょう。
④持久力向上トレーニング
持久力向上トレーニングの代表はウォーキングやランニングですね。
これらの運動は血液循環を良くして、悪玉コレステロールや体脂肪を効果的に減少させてくれたり、糖尿病の予防や改善、循環器や呼吸器の働きを良くするなどの効果があることがわかっています。
生活習慣病の予防に最適なんですけど、同時に下肢の筋肉を鍛える効果もあって、転倒や骨粗しょう症の予防にほんとに役立ちます。
筋トレとセットで行うことで筋肉量をキープしながら疲れにくい足腰を維持できます。
◯有酸素運動+筋トレが認知症予防に有効
適度な運動は生活習慣病の予防、改善に役立つことからアルツハイマー病の危険因子と言われている、高血圧や糖尿病の発症を防ぐのに有効です。
また運動によって血流がスムーズになるための脳細胞の働きを良くすることがわかっています。
さらに最近の研究では軽度認知障害のある高齢者が有酸素運動と筋トレなどに加えて脳を刺激する「計算」や「しりとり」などの認知課題を同時に行うと認知機能や記憶力が向上するのではないかと積極的に研究がなされています。
◯筋トレとウォーキングを組み合わせることで効果が倍増
ウォーキングなどの有酸素運動は生活習慣病の予防改善に大きな効果が期待できます。
しかしウォーキングだけでは老化による筋力の低下を防ぎきれません。
だからといって転倒予防や寝たきり予防にウォーキングが役立たないかと言えば、そうではないのです。
歩く習慣は下肢などの筋肉の働きを良くするだけでなく、血液循環を良くすると言う大きなメリットがあります。
ウォーキングを続けて行うと悪玉コレステロールや体脂肪が減って、糖尿病の予防や循環器や呼吸器の働きを良くする効果があります。
筋トレと有酸素運動を組み合わせて行うとより効果が上がります。
筋トレで筋力量をキープしながらウォーキングで元気に歩ける足腰を維持できれば、いつまでも健康を維持することが可能です。
◯効果的なウォーキングの仕方
筋トレは1日おきに行うなど休みが必要ですが、ウォーキングは毎日続けても効果が止まってしまう事はありません。
高齢になると周囲の景色を楽しみながらのんびり歩く人も多いでしょう。
ただしウォーキングはストレス解消や体調維持には有効ですが運動的には少々、物足りません。
運動効果を高めるには集中力が大事ですから「しっかり歩くこと」を意識して、いつもよりも大股で少し早めに歩くようにしましょう。
筋トレと有酸素運動を同じ日に行う場合は「筋トレ→有酸素運動」の順序で行う方がダイエットに効果的です。
それは筋トレによって代謝量を増やしてから有酸素運動を行うと、より体脂肪が消費されメタボ改善に効果があることがわかっています。
逆の「有酸素運動→筋トレ」では同様の効果が期待できません。
長く続けるために心がけたいこと
筋トレは2ヶ月続ければ初期効果が実感できるので長続きします。
楽しく行うのが長続きするコツです。
まとめ
運動は負荷、量を徐々に増やすことで各部の機能が強化され、より大きな負担にも耐えられるように変わっていきます。
焦らずに続けることが大事です。
例えば最初にウォームアップを5分程度。
その次に軽めのウォーキングを20分、体が運動に慣れてきたら筋トレやバランス向上トレーニングを行い、20分のジョギング後、最後にストレッチ運動でクールダウンを行うと完璧です。
クールダウンは使って縮んだ状態の筋肉を伸ばして緩め、乳酸などの疲労物質を留めにくくしてくれます。
そしてしっかり栄養をとってゆっくり休むことが大切です。